公道車にはアクセルとブレーキを右足だけで操作する特異なペダル様式が用いられています。
このペダル様式(右足用のブレーキペダル)が運転者に『ペダルの踏み間違い』を起こさせている元凶です。
AT車でペダルを踏み間違えると運転者の多くは制御する術を失います。アクセルペダルを踏み続けて暴走し、年間数千件(国内)もの事故が起きています。
(MT車でペダルを踏み間違えてもクラッチペダルとシフトレバーの操作が介入する為、暴走事故は起きません。)
公道外で使用されているクルマの多くは、右足でアクセル、左足でブレーキを操作するペダル様式が用いられているので『ペダルの踏み間違い』が起きることはあり得ません。
ゴーカート、レンタルカート、レーシングカート、キッズカートなどのカートと呼ばれているクルマやF1、スーパーGT、ラリーなどで使用されているレーシングカーは、このペダル様式が用いられています。
“左足下にブレーキペダルを設置してある車”では
ペダルの踏み間違いは起きない。
衝突を回避する際に『ブレーキの踏み遅れ』は起きない。
意識を失った際に、アクセルペダルだけが踏まれることはない。
『右足だけで操作するペダル様式』VS『両足を使用するペダル様式』
詳しくは、『ペダル性能比較表』を是非ご覧ください。
『右足だけで操作するペダル様式』(現行のAT車のペダル)
【特徴】
【長所】
【短所】
ペダルの踏み間違いによる事故が起きる。
ブレーキの踏み遅れによる事故が起きる。
意識喪失時の暴走事故が起きる。
右足腰に負担が集中して疲労が溜まる。
右腰背部・右脚部に疾患がある方は疼痛などの症状を悪化させる。
渋滞時、混雑時の道路では踏み替え時間を見越して常に早めにペダルを踏み替えなければならず、ストレスと疲労の原因になる。
身体能力が衰えてきている高齢ドライバーは誤操作を起こしやすい。
ペダルを踏み換えなければならない為、断続的な操作となる。この為、スピーディーでスムーズな操作ができない。
運転が楽しくない。等
『左足でブレーキペダル、右足でアクセルペダルを操作する為のペダル様式』
【長所】
【短所】
“片足ケンケン”は“両足歩行”には及ばない
歩行するのと同様に両足を使ってペダルを操作することは幼児でも簡単にできますが、片足だけでペダルを操作することは、訓練と経験を積まなければできません。
現在のAT車のペダルは、左右に7センチ、前後に4センチ程度しか離れていない二つの“モノ”(ペダル)を右足だけで何万、何十万回・・・一度も間違わずに踏み換えなければなりません。これは『曲芸』や『名人芸』にも似た『特技』です。
“片足ケンケン”をしている時に姿勢が崩れると転ぶリスクが高まるのと同様に、片足でブレーキを操作する際に“姿勢が崩れる”とペダルを踏み間違えるリスクは高まリます。※1
片足だけで二つのペダルを正確に操作し続けなければならないAT車のペダル様式には重大な問題があると言わざるを得ません。
左足下にブレーキペダル、右足下にアクセルペダルを配置してあるゴーカートやレーシングカート等のペダル様式卓越した性能について
先に述べたように、両足で操作するゴーカート様式のペダルは正にオールマイティーなペダル様式です。右足下にアクセルペダル、左足下にブレーキペダル。二足歩行の人間にとってこれ以上自然なペダル配置は考えられません。“AT車本来のペダル様式”であることに疑う余地はは全くありません。ペダル操作による事故が起きづらいという点に限って評価しても、正に理想的なペダル様式です。
その理由を詳しく説明します。
左右にぺダルが離れていて、それぞれ別の足で操作するこの様式では、現在多発しているAT車特有の事故は起きません。万一、事故が起きたとしても被害は低減します。
『ペダルの踏み間違い』は、「どちらのペダルがアクセルなのかブレーキなのかわからない」「右足と左足の区別がつかない」と云ったケースを除いては、物理的に起きようがありません。
公道車はアクセルとブレーキ、双方のペダルが同時に同等の力で踏まれた場合は制御されて停止するように設計されているので、『運転中の突然死や意識障害によって、アクセルペダルが踏み込まれて起きる事故』も低減することができると思われます。
また、ペダルの踏み替え時間(空走時間≒一秒弱)が不要になり、左足を踏み込めば、ブレーキはすぐに効き、既存ペダルのようにブレーキが効かないまま走ってしまう距離(空雄距離)は殆どなくなります。その分、安全性が高まります。MT車、AT車に関わらず、ブレーキの踏み遅れによる事故を低減することができます。
このペダルがAT車に設置されていれば、AT車特有の事故の多くは殆ど起きなかったかもしれません。私の行なった実験と検証結果から判断すると、ペダルの踏み間違いのほとんどは片足で操作するペダル様式が原因です。
単純計算すると年間6500件×40年て、270,000件という膨大な数になります。最近のデーターを基にした数値なので、参考値ですが、世界中ではどのくらいの事故が起きたのでしょうか?
このペダルが現在公道車に設置されていないのは、我々AT車のユーザーにとって、また、AT車特有の事故に巻き込まれた人々にとっても大変不幸なことです。大げさのように思えるかもしれませんが、人類にとっての負の遺産の一つだと言えるでしょう。
AT車を普及させる為、MT車から移行しやすいようにクラッチペダルを取り除いただけで、アクセルとブレーキペダルの位置をMT車と同じにしたことで、事故が多発する構造の片足操作の奇妙な車が世界中に拡散しているのです。
AT車を普及させることを優先した結果、このような状態になってしまったわけです。
こうなってしまうと、その責任は製造側では取りようがありません。事故の責任を運転者側にすべて押し付けて、車両側には問題がないとする。これが現状です。某社のエアバックがリコールになりました。このペダルはその様式に問題がある訳ですから。本来ならばすべてのAT車のペダルはリコールの対象になってもおかしくありませんが、そんなことはほぼ不可能なわけです。ブレーキの様式上の欠陥を認めれば、訴訟が起き、損害賠償にも応じなければなりません。問題の規模は桁外れに大きく、自動車業界、保険会社も含めた関連業界、政府・・・これは大変な事態になります。ですから、片足操作のぺダルの様式上の欠点は隠蔽され続けます。
しかし、民主国家の国民である私たちには、知る権利があります。身の安全を脅かすものについては、その事実を知り、自らと同胞を守らなければなりません。そのために、ユーザー側の立場で情報を発信しています。
既存ブレーキ様式とゴーカート様式の性能を比較した表を作成しました。両者の性能の差異がはっきりわかります。