AT車を普及させる際、クラッチペダルの位置にブレーキペダルを設置していれば、ペダルの踏み間違いによる事故が起きることはなかったはずだ。少なくとも姿勢や動作が引き金になって起きる踏み間違い事故は起きなかった。
当時のアメリカの自動車工業会はMT車と同様の右足用ブレーキペダルを設置すれば、ペダルを踏み間違えた時に事故が起きることを熟知していた。
ブレーキペダルを左側に拡張し、左足でも操作できるような形状に変えたことから推測できる。
右足でブレーキを操作すれば踏み間違いによる事故は起きないので欠陥ブレーキとは言えない。
他国のメーカーや政府との密約があったか否かは分からないが、すべての自動車メーカーはこのペダル様式を採用した。
AT車の欠陥ペダル様式によって『ペダルの踏み間違い事故』が起きるようになった。AT車を急速に普及させてきた我が国では年間6000件を超える事故が起きている。
1980年代、AT車特有の事故が相次いで起き、社会問題化した。自動車工業会は、「車両側には原因がなく、運転者がAT車の操作に慣れていないからだ」として、責任をユーザーに転嫁した。その姿勢は現在も変わらない。
AT車に不適切であるペダル様式が使用されていることが原因で運転者はペダルの踏み間違い事故を起こしている。事故を起こしてしまったドライバーは加害者であるとは言えない。AT車に設計上の欠陥があるペダル様式が用いられていることは知らされていないし、なぜ踏み間違いが起きるのかも製造者から説明されていない。
私は踏み間違いによって暴走した体験が2度もある。その後、一万回を超える実証実験を行い、踏み間違いのメカニズムを解明した。
ペダルの踏み間違いは『ひざが左右どちらか一方に大きく傾倒する姿勢や動作が引き金になって起きる。この時、かかとや足先がずれると右足のポジションが変わることがある。そのことに気づかず、アクセルペダルをブレーキペダルだと錯覚してペダルを踏み込み続けると暴走状態に陥る。
車の開発に関わるエリートのエンジニアがこの事実を知らない訳はない。
1世紀も前に踏み間違いが起きることはわかっていた。すべての車はアクセルペダルをブレーキペダルよりも奥に設置していることから推測できる。アクセルペダルを嵩上げして双方のペダル面の高さを同じにして操作してみればすぐに解る。詳細はここでは省略するが、これは、踏み間違い防止の為の仕組み以外の何物でもない。
MT車では、ペダルを踏み間違えても、クラッチペダルやシフトレバーが制御装置の役割を果たすので暴走することはない。
しかし、そのような仕組みがないAT車では、ペダルの踏み間違いは暴走事故に繋がる。
自動車業界や関連業界は損害賠償に発展する問題だから、半世紀も”だんまり”を決めている。政府も同じだ。
私は欠陥ペダル様式の被害者である。肉親もペダルの踏み間違いによる事故で失った。
AT車のユーザーと事故の巻き添えになる人々を救いたいと思って情報を発信している。
自動車工業会、関連機関が隠蔽している事実について公表しているのもこの為だ。
ペダルの踏み間違いは4パターン以上の不適切な運転姿勢・動作が引き金になって起きる。
身体の衰えのある方や粗い運転をする方、腰痛や脊柱側わん症などで左右どちらかに上半身が傾斜している方、強度のO脚やX脚、足首の可動域が狭い方、滑りやすい履物やフロアーマットの使用も踏み間違いを助長する。
また、上記以外の要因が作用してペダルの踏み間違いが起きる可能性も否定できない。
何れにしても踏み間違いの根本原因は隣接して設置しているペダルを右足だけで操作するペダル様式にある。
AT車の設計上の欠陥が、運転者に事故を起こさせている。
ペダルの様式上、運転中にしてはならない姿勢・動作があるが、AT車の取扱い説明書には具体的な記載はなく、店頭などでの説明も行われていない。
製造者は説明責任を果たしていない。